2019/06/25 14:54
もみ殻はゴミ?
お米づくりの副産物である“もみ殻”が厄介者扱いされていることをご存知でしょうか。
・処分にコスト・労力をかけられない実情。
・田んぼに混ぜたくてももみ殻は撥水性がある・腐りにくいといった特性があるため、時間をかけて年単位で寝かせる必要がある。
・野焼きが禁止されたことで再利用がますます難しくなった。
こういった理由により、カントリーエレベーターなどには、処分に困った大量のもみ殻が溢れています。
もみ殻の特性を活かした農作物のマルチングや、ひと手間かけてもみ殻燻炭にして使われることもありますが、発生するもみ殻に対して処理は追いつきません。
このままでは近い将来、費用を支払い業者に頼むことを避けられなくなります。
もみ殻をバイオマス燃料に
そこでもみ殻を再利用するために生まれたのが「モミガライト」です。
オガライトはご存知の方がいらっしゃるかもしれません。
オガライトは本来廃棄される“おが屑(木屑)”を再利用することを目的に作られた固形燃料。
モミガライトはもみ殻を再利用した固形燃料です。
薪の代替として使うことができます。
特徴
原料はもみ殻100%。
製造時に接着剤などを一切使わないため、燃焼時の排気には窒素酸化物・硫黄酸化物を含まずクリーン。
さらに、モミガライトの使用で新たなCO2も発生しないので環境にやさしい燃料です(カーボンニュートラル)。
燃焼
モミガライト2kgが、灯油1Lとほぼ同熱量。
着火時間は、モミガライトがもみ殻をこう圧縮して作られているのでやや時間がかかり10分くらい。
最初の45分は火を上げ燃焼し、その後は熾火(炭火)として2時間ほど燃え続けます。
(※モミガライト8kg以上燃やした場合)
煤や煙が少なく、火の粉が飛びません。
火持ちが薪の数倍で薪ストーブユーザーさんには夜用として好評のようです。
煮炊きや暖房、バーベキューなどにお使いただけます。
『モミガライトの着火のコツ』https://sagaoriza.thebase.in/blog/2019/07/02/161628
灰
保管
湿気に強く、長年保存しても変質や型崩れはないので安心です。
ただし、湿気の少ないところでの保管をおすすめします。
湿度の高い場所では、表面にカビが生える場合がありますが、使用に支障はありません。
また、直接雨や雪は当たらないようにしてください。
断面に水を吸いやすいです。
水に濡れると形が崩れて、すりつぶしもみ殻状態に戻ります。
orizaで販売中のモミガライト
01 モミガライト<ロング>
02 モミガライト<ショート>
03 備蓄燃料モミガライトセット
災害などもしものときのために備蓄する燃料として。
その他
モミガライトを炭化した「モミガライトSUMI」もあります。
もみ殻も持続可能な資源
サスティナブルな資源として注目されることが多いのは木です。
しかしながら、もみ殻も木と同じくらい可能性をもったサスティナブルな資源です。
もみ殻の再利用は、まだまだ認知度の低い取り組みです。
もみ殻を活用していくということも含めて、これまでの考え・やり方を変えることは容易なことではありません。
たとえば、モミガライトは薪の代替としても使えます。
しかし、キャンパーさんや薪ストーブユーザーの方は「モミガライトは灰が多く残って扱いづらい」「火がつきにくい」と感じることが多いのが現状です。
これは仕方がありません。それぞれこだわり・好き・嫌いはあって当たりまえ。
でも実はこのこだわりを通すにはお金や時間に余裕はないとできないんだそうです。
薪もお金さえ払えば質のいいものを手に入れることができるが、お金がかかる。
できるだけ安く、となると次に考えるのがタダの薪を使うこと。
でも、森林の手入れにより発生した廃棄物を利用するのであれば・・・伝手が必要。
または、自ら山に入って→チェーンソーで切り出し→運んで→薪割→乾燥と翌年分の薪を1年前から準備をする手間がかかる。
好きでなければ続かない。
一方で「モミガライト」の原料であるもみ殻は、地域のカントリーエレベーターに乾燥した状態で収集されており、これをモミガライトを加工します。
製造すればすぐに使うことができます。
おまけに形・サイズがそろっているので保管する際に省スペース。
考え方を変えてみればもしかしたら薪よりも「モミガライト」のほうが使いやすいかもしれません。
お米を作り続ける限りもみ殻は発生します。しかも、膨大な量です。
もみ殻を地域の資源として有効に活用していくことは人にとっても、自然にとってもメリットは決して小さくありません。
(機械メーカーさんでは、薪や木炭を燃料として使用することで進行している森林減少が深刻化しているタンザニアでのモミガライトの普及と検証の取組みもおこなわれています。)
もみ殻の再利用。興味をもっていただければうれしいです。
少々長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。